会長挨拶
GREETING
晴海は、明治初期に埋め立てが開始され、1966 年に106ha の現在の形になり、長い間、埠頭等港湾施設、倉庫、東京国際見本市会場等として利用されてきました。
1984年に晴海地区の地元企業地権者の中に「晴海は東京駅から直線距離で僅か3km 程度の距離に位置しているにもかかわらず都市的な土地利用がなされていない」との認識が広がったことを契機に、「地元地権者自らの手によるまちづくり」を推進するとの基本理念のもとに「晴海をよくする会」が設立され、土地利用転換へ向けた活動が始まりました。
当会が最初に手掛けたのは「晴海アイランド計画」(1986年)の立案でした。当時は、このようなマスタープランは行政が作成するものという認識が一般的で、地権者自らが作成したマスタープランは、非常に珍しいものでした。
その後、当会は、「晴海アイランド計画」の実現化に向け、晴海1 丁目から5 丁目の各地権者間で長い期間、協議・検討を続け、その活動の中から最初の事業として、晴海1 丁目の「晴海アイランドトリトンスクエア」が竣工し、2001年に完成を迎えました。竣工直前には都営地下鉄大江戸線の「勝どき駅」が開通したことで晴海の交通利便性は飛躍的に高まりました。その後、晴海2丁目、晴海3丁目地区での開発が進み、現在では晴海5丁目地区のHARUMI FLAGのまちびらきが間近となるなど、街の成熟度が増してきています。
当会では、「まちづくりは建物を建てて終わりというものではなく、竣工後もまちのありかたや社会課題解決へ対応する努力を続けることが重要である」との認識のもと、今日に至るまでの39 年間、活動を継続しております。
現在、東京では国際競争力の強化を旗印にポストコロナを見据えた次世代の都市づくりが進められています。ベイエリアにおいては、東京都により「東京ベイeSGまちづくり戦略2022」が策定され、気候危機に対応し、海と緑の環境に調和したサステナブルな次世代都市として、持続可能な都市・東京を先導するエリアとして発展していくことが求められています。また、区部中心部と開発が進む臨海地域とをつなぐ基幹的な交通基盤として都心部・臨海地域地下鉄の新設も期待されています。
晴海地区については、地下鉄等大量輸送機関の脆弱性が長年課題となっていますが、2016 年4月の交通政策審議会小委員会において「都心部・臨海地域地下鉄構想の新設及び同構想と常磐新線延伸の一体整備」の方向性が示されて以降、2021 年7月には都心部・臨海地域地下鉄が検討を深度化すべき路線として格上げ、2022年11月にはルート・駅位置、事業性等が記された事業計画案が公表されるなど、新線整備の実現に向け着実に前進しております。
今後も、中央区等行政機関、地下鉄の事業主体、沿線開発等と協力しながら、活動を続けていきたいと考えております。
東京の国際競争力を強化するためには、グローバルな人材が活躍し、生活できる場所を提供することが重要です。東京の成長は我が国の成長であり、東京が力を付ければ、それが地方に伝搬し、最終的には国が力をつけるという流れになるのだと思います。その最先端の一つに晴海があるとの認識のもと、社会課題の解決と魅力あるまちの実現に向けて、会員の皆様とともに邁進して参りたいと存じます。
晴海をよくする会
会長 井上 俊之
活動内容
ACTIVITIESこの会は、設立目的を達成するため、次の事業を行っています。
- 晴海の地権者等の協力による晴海整備計画(以下、「晴海計画」という。)の策定
- 晴海計画の推進のため行政機関等への働きかけ等必要な運動の推進
- その他目的達成のため必要な作業
「晴海アイランド計画」の策定
「晴海をよくする会」が提案する「晴海整備計画」である「晴海アイランド計画」を、時代にあわせ策定してきました。
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晴海アイランド計画の提案
昭和51年12月 -
晴海アイランド計画
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晴海アイランド計画2001
その他の活動の成果
晴海アイランドトリトンスクエア地区が
「美しいまちなみ優秀賞」(2003年)を受賞しました。
活動が下の書籍に紹介されました。